ジャグラーコーナーを台を物色しながら歩いていると、リールの前に小さな機械(あるいはスマホなど)を置いて、それをポチポチ押しながら打っている人を見かけた事はありませんか?
あれは何をしているのかと言えば、主にブドウの出現回数をカウントしているのです(チェリーも数えていたりしますね)。
なぜブドウの回数を数えるのか、そしてそうする事に意味はあるのか。
今回はブドウカウントに関するお話です。
ブドウを数える理由
なぜブドウの出現回数を数えるかと言えば、ブドウの出現確率に設定差があるからです。
この記事でホールがアイムジャグラーに設定6を使っているか否かを判断するために推定ブドウ確率を算出する方法を紹介しました。
推定ブドウ確率は、このサイトで公開しているブドウ確率計算ツールにて算出しました。
このツールを使えば、ゲーム数/BIG回数/REG回数/差枚数さえわかればその台の推定ブドウ確率を算出する事が出来ます。
しかし当然の事ながら、自分で打っている台に関しては推定確率を計算するよりも、ブドウの回数さえカウントしておけば正確なブドウ確率を算出できます。
ですから冒頭で述べたように何かしらの道具を使ってブドウの出現回数をカウントしている訳ですね。
もちろん中には頭の中で回数をカウントしている人もいるので、ブドウの回数をカウントする道具(小役カウンターと言います)を使っていないからといってブドウの回数を数えていないとは限らないのですが。
このようにブドウの出現回数を数える事を、「ブドウカウント」と言います。
ブドウカウントは必要?
勝利の為にブドウを数えている人がいるなら自分もやってみようかと思う人も、勝ち方をこれから身に着けて行こうとしている人の中には少なくないのではないでしょうか。
しかし実際問題として、ブドウを数えたところで設定判別的に有意義な効果を得られるのでしょうか?
以下はアイムジャグラー系機種における設定別のブドウ出現率です。
設定 | ぶどう |
---|---|
設定1 | 1/6.49 |
設定2 | 1/6.49 |
設定3 | 1/6.49 |
設定4 | 1/6.49 |
設定5 | 1/6.49 |
設定6 | 1/6.18 |
このように、設定6のみ他の設定から比べて突出して出現率が高いですよね。
しかしそうは言っても1/6.49と1/6.18の差です。
この数値だけ見ても中々どの程度の差なのかを実感する事は出来ないでしょう。
そこで仮に通常時を一定G消化した段階での設定6と設定6以外でのブドウ出現回数を計算して見ます。
消化ゲーム数 | 1000G | 2000G | 3000G |
---|---|---|---|
設定1~5 | 154回 | 308回 | 462回 |
設定6 | 162回 | 324回 | 485回 |
どうでしょう?1000G時点だとその差は何と8回だけ、2000Gで16回、3000Gで23回といった具合に消化ゲーム数が増えれば増えるほど開きが出てきます。
これを見た印象として、さすがに1000G程度では判断が付かない事はお分かりいただけるのではないでしょうか。
2000Gでもちょっと厳しい、3000Gでやっとまぁまぁ使えそう?というぐらいの差である事が分かります。
このように、ブドウカウントというのはその日の実戦上の事を考えると、よほど長時間打つ場合でなければあまり意義のある行動ではないという事が言えます。
例えば夜に履歴的に設定の良さそうな台に座り実戦をスタートした場合、閉店時間まで残り3時間というタイミングで打ち始めたとします。
回せるゲーム数は打ち手の打つスピードはもちろん、ボーナスの引き具合(ボーナスを沢山引くと通常時の消化ゲーム数が減る)にも左右されるので一概には言えませんが、仮に1時間あたり700G回したとします。
すると閉店までに2100Gの通常時を消化する事になるんですが、2100Gのプレイ中にブドウを数える必要があるでしょうか?先ほど見た数値(2000G時点でのブドウ出現回数差)から言うと、これぐらいのゲーム数であれば別にカウントしなくても良いかな?と思えるのではないでしょうか。
他の設定推測要素と組み合わせる
ブドウ確率単体での実用性は正直低い事を前の項目で説明しましたが、これに他の要素(総ゲーム数、BIG回数、REG回数)を加える事で、ブドウを数える意義を見出せるケースもあります。
例えば以下にアイムジャグラーEX Anniversary Editionの「総ゲーム数3000 BIG10 REG14」という状況で、前者はブドウ確率非考慮、後者はブドウ確率が設定6の近似値だった場合の設定推測結果を表示しています。
設定推測にはパチマガスロマガの設定推測ツールを使いました。
このように、同じ総ゲーム数&ボーナス回数の条件であっても、ブドウ確率が設定6の近似値だったという情報の有無でこれだけ設定推測の精度に差が出ます。
この結果を見れば、とりあえずブドウを数えておいて、一定のゲーム数に達した時に押し引きの材料としようと思うのも頷けるのではないでしょうか。
ブドウカウントは未来のために行うもの
このように、ブドウカウント単体では少々実用性に疑問符が浮かびもしますが、他の要素との併用であればある程度当日の押し引きをする上でも活用できる事が分かりました。
しかしブドウをカウントする最も大きな理由は、「その店がしっかりと設定6を使っている事を確認するため」です。
アイムジャグラー系機種は設定5と設定6におけるボーナス確率の設定差が非常にすくなく、ボーナス確率だけでは中々設定5と設定6の判断が付けられません。
そんな中で顕著な設定差が付けられているのがブドウ確率なのですが、そうは言っても1/6.49と1/6.18の差ですから、数千ゲームの試行では設定を特定するような数値を示してくれるとは限りません。
しかしこういった小さな設定差でも、試行ゲーム数が何十万ゲームと積み上げられれば、それはもう信頼度抜群な差が設定間で付く事になります。
ためしにアイムジャグラー系機種において一日では到底達成できないレベルのゲーム数を消化した場合のブドウ出現回数差を見て見ましょう。
消化ゲーム数 | 10万G | 20万G | 30万G |
---|---|---|---|
設定1~5 | 15408回 | 30817回 | 46225回 |
設定6 | 16181回 | 32362回 | 48544回 |
10万G時点で773個差、20万G時点で1545個差、30万G時点で2319個差といった大きな差が付いています。
ちなみにジャグラーのブドウは7枚役ですから、それぞれを枚数に換算すると、773個=5411枚、1545個=10815枚、2319個=16233枚といった膨大な枚数の差が生まれている事をより実感するのではないでしょうか。
仮に同じ店舗で自分が高設定だと判断して打っていた台のデータを、このような膨大なゲーム数まで蓄積できたとして、その実戦データからブドウ確率を算出した場合にその数値が設定6の近似値を示していれば、それは極めて高い割合でその店で打っていた高設定と思われる台=設定6だったと判断して良いでしょう。
逆にその数値が設定1~5のブドウ確率に近い数値を取るようなら、どんなにレギュラー確率が優秀な台だったとしても、ほとんどのケースにおいて良くて設定5あるいはそれ以下の設定を打っていた可能性が高まります。
また仮にその数値が設定6と設定1~5の中間点のような数値を示す場合なら、それは時々設定6に触れつつ設定5以下にも同程度触れているという判断が出来るでしょう。
このように、ブドウ確率を数える意味とは、その日の実戦における押し引きのためだけではなく、今後の実戦に活かすためのデータを取るという事にあると言えるでしょう。
同じような事はブドウ確率算出ツールを使って客観的に出来る場合もありますが、スランプグラフなどが存在しないホールもありますので、そういったホールに関しては正に自分自身で手に入れたデータだけが頼りとなります。
しかしだからこそ、自分で実戦していない他人が入り込めない領域でその店のジャグラーシリーズにおける設定配分を見抜く事も可能になるわけですから、そういった環境でこそブドウカウントの真価が発揮されるとも言えますね。
ブドウカウントの是非に関する結論
- ブドウカウントをする理由はブドウ確率に設定差が存在するから
- 算出ツールが使えない環境(差枚数を第三者が把握する術がないなど)では自力カウントが頼り
- アイムジャグラー系機種は設定5と設定6の違いを見る上でブドウ確率は重要な要素である
- 当日の押し引きにも他のデータとの併用で活用できる(主にアイムジャグラー)
- データを蓄積する事で今後の稼働に活かせる
- 上級者以外は数えなくても良い
ブドウカウントは本来、データの蓄積から立ち回りに活かせる情報を引き出せる極一部の上級者にとってしか有意な価値を発揮できないものです。
データの蓄積からその店におけるジャグラー機種の設定使い内容(たとえばアイムジャグラーに設定6を使っているか否かの判断など)を把握するような高度な立ち回りをするのならともかく、もう少しライトにボーナス確率(特にREG確率)から高設定の目ぼしを付けて実戦するような打ち方をする分には、必ずしもブドウカウントを行う必要はないと言って良いと思います。
設定6の有無を確認するにしても、ある程度データを公に開示しているホールであれば、ブドウ確率算出ツールを使えば自分自身で打っていなくてもある程度の判断は出来ますからね。
もちろん先述したように、他のデータとの併用で当日の押し引きにも活用はできますから、数えるのが面倒だと感じないのであれば、数えないよりは数えた方が良いのは確かです。
しかしもし、カウント行為自体がストレスの元になるようなら、そこまでのストレスを抱えてやる事でもない点は強調しておきたいと思います。
何をするにしてもストレスは最大の敵ですので、ストレスフリーに勝てる立ち回りを目指して頂ければと思います。
追記:6号機におけるブドウカウントの重要性について
本記事は5号機ジャグラーを前提に書かれておりますが、ブドウカウントの意義については6号機時代でも5号機時代と同様の認識で問題ありません。
基本的にはわざわざ数える必要はありませんが、場合によってはカウントするという選択肢もあり得るでしょう。
その際は、機種別のブドウ確率を参照しつつ、押し引きの判断材料の一つとして活用するのが良いでしょう。